ランちゃん

 叔父さんや従兄に殴られた、と わぁ~わぁ~泣くランちゃんですが、私にどんなに叱られても、泣くことがありません。大きな眼でじっと私を睨みつけています。
 
 そのランちゃんが私の前で、大きな眼から大きな涙をポロポロ流して泣きます…
 その涙の大きさに、涙の大きさは悲しみの深さに比例して?それとも目の大きさに比例している?と、つい見とれてしまいました。
 
 ランちゃんのお母さんは病気です。手術をしなければなりません。
 しかし…お金がありません。
 「お金を貸して下さい」
 ランちゃんの頭は「お母さん」で一杯。お母さんを思う涙が止まりません。
 ランちゃんはお母さんが大・大・大好き!!
 
 ランちゃんがうちで働きだすと、親から毎朝のように叔父さんの携帯に電話がありました。
 それも「そちらから掛けてください」との期待を込めた「ワンぎり」です。
 何事か?!と心配になるほどの早朝にも掛けてきます。ランちゃんを案じる親心…。
 親と話すランちゃんの嬉しそうなこと。得意そうな様子。
 しかし、叔父さんだって毎朝の電話代を出し続けることが難しくなってきます。
 段々掛ってこなくなってきました…ランちゃんも慣れてきたのでしょう。
 
 しばらくすると、また朝の「ワンぎり」が始まりました。
 「金送れ」「金送れ」
 理由はいろいろ…乳牛が死んだり…畑に蒔く種が必要だったり…あれこれ…
 月給日になりお金を送金するとしばらく止まります。

 ランちゃんが働く以前には、お金はどのように工面されていたのでしょうか?
 お母さんの手術代はランちゃんの約半年分の収入に当たります。
 まだ返済されていないから? 今、親からの「ワンぎり」はありません。

 ランちゃんの村の家の1ヶ月の生活費が、1日?で消費されてしまうような私たちの生活をランちゃんはどう感じているのでしょうか? 

 ランちゃんはうちの固定電話から親へ電話をかけようと、誰もいない時を見計らってずいぶん試した様子です。が、繋がらない筈です。うちは「市内契約」しかしていないので、デリー州以外に掛けることはできないのです。
 今はたぶんインド人の家でも「市内契約」しかしていない家は少ないと思いますが、10年ほど前には勝手に使われないように、電話に鍵を掛けている家がたくさんありました。そういえば、あの頃はどの家の冷蔵庫にも鍵が付いていて、居間に鎮座していたものです。
 
 ランちゃんのお母さんは元気になったそうです。
 ランちゃんはお母さんが大好き!! 
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by sapnabb | 2009-06-23 14:56 | ★インドよりメッセージ
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